TSUBAME共同利用 採択状況・利用課題

採択情報

令和7年度令和6年度令和5年度令和4年度令和3年度令和2年度平成31年度平成30年度平成29年度平成28年度平成27年度平成26年度平成25年度平成24年度平成23年度平成22年度平成21年度

採択状況一覧

通算採択実績
区分成果採択数R07R06R05R04R03R02H31H30H29H28H27H26H25H24H23H22H21
学術公開3802454262830282527232523221714941
産業公開1048140125465881089763
非公開208102410121420191916131012104672
合計692429236414653485244464144352722176

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令和7年度申請状況

令和7年度申請実績
利用区分カテゴリー応募数採択数
学術利用成果公開2424
産業利用成果公開88
成果非公開1010
合計4242

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令和7年度採択利用課題一覧 (学術利用)
番号所属機関申請課題名 (課題概要)利用区分
(カテゴリー)
利用 口数報告書
1理化学研究所革新知能統合研究センター継続的ベイズ推論の改善学術利用
(成果公開)
30利用中
2国立情報学研究所コンテンツ科学研究系フェイクメディア検知の基礎研究と応用実験学術利用
(成果公開)
25利用中
3国立情報学研究所コンテンツ科学研究系(JSTさきがけ)プライバシー保護と偽音声検出を統合する音声データ処理基盤学術利用
(成果公開)
9利用中
4早稲田大学理工学術院基幹理工学部自然言語の非線形性の計算論モデル学術利用
(成果公開)
4利用中
5同志社大学理工学部大規模学術データ学習手法の開発学術利用
(成果公開)
11利用中
6北里大学未来工学部深層学習を用いた大規模化合物潜在空間の構築学術利用
(成果公開)
18利用中
7京都大学大学院薬学研究科MDシミュレーションによるGPCR関連シグナル分子の構造変化解析学術利用
(成果公開)
2利用中
8京都大学大学院医学研究科医薬プロセス最適化と新薬開発を効率化・加速する製剤処方設計AIの開発学術利用
(成果公開)
12利用中
9東京大学大学院工学系研究科深層学習に関する研究学術利用
(成果公開)
9利用中
10産業技術総合研究所生成型音声・画像AIのための学習アルゴリズムの開拓と自動機械学習の研究学術利用
(成果公開)
4利用中
11東京大学医科学研究所ウイルスの形質および進化予測法の開発学術利用
(成果公開)
12利用中
12東京大学医科学研究所2感染症制御に資するバイオインフォマティクス研究学術利用
(成果公開)
12利用中
13東北大学大学院情報科学研究科マルチモーダル言語モデルの開発学術利用
(成果公開)
5利用中
14山梨大学大学院総合研究部金属ギ酸化合物における小分子の吸着構造の第一原理計算学術利用
(成果公開)
1利用中
15星薬科大学MDシミュレーションと量子化学計算を用いた医薬品開発支援学術利用
(成果公開)
6利用中
16早稲田大学基幹理工学部計算機の文章読解・生成能力向上に関する研究学術利用
(成果公開)
10利用中
17群馬大学大学院医学系研究科シナプスタンパク質間相互作用の解析学術利用
(成果公開)
1利用中
18大阪公立大学大学院工学研究科金属組織形成および物性の大規模フェーズフィールド・分子動力学解析学術利用
(成果公開)
4利用中
19中央大学大学院深層学習を活用した水防災シミュレーションの計算効率化及び高速化に関する研究学術利用
(成果公開)
1利用中
20大阪公立大学工学研究科直接数値解析データを用いた非平衡壁面モデルの開発学術利用
(成果公開)
2利用中
21大阪公立大学工学研究科直接数値解析による円管内強制対流の非相似伝熱制御の検討学術利用
(成果公開)
5利用中
22国立感染症研究所バイオインフォマティクス・オミクス研究部分子動力学シミュレーションによる新興再興感染症に関する研究学術利用
(成果公開)
4利用中
23福島大学食農学類糖鎖-蛋白質間の相互作用解析学術利用
(成果公開)
1利用中
24高度情報科学技術研究機構神戸センターTSUBAME 4.0におけるQuantum ESPRESSOの性能評価学術利用
(成果公開)
1利用中
令和7年度採択利用課題一覧 (産業利用)
番号所属機関申請課題名 (課題概要)利用区分
(カテゴリー)
報告書
1Axelidea株式会社特許情報により学習した特化型AIの研究産業利用
(成果公開)
利用中
2Sakana AI株式会社AIエージェントの基盤技術に関する研究開発産業利用
(成果公開)
利用中
3株式会社デンソーアイティラボラトリ自動運転AI の実現にむけた超軽量特徴点マッチング技術の確立産業利用
(成果公開)
利用中
4株式会社CoeFont深層学習を用いたリアルタイムAI音声合成プラットフォームの技術開発産業利用
(成果公開)
利用中
5JT生命誌研究館クモ胚に基づく発生-進化の数理解析産業利用
(成果公開)
利用中
6株式会社Quemix有機高分子材料の量子化学的研究産業利用
(成果公開)
利用中
7アヘッド・バイオコンピューティング株式会社IT創薬向け並列計算化学シミュレーション手法の開発産業利用
(成果公開)
利用中
8株式会社アラヤEEGを用いた大規模Brain Computer Interfaceの開発産業利用
(成果公開)
利用中
令和7年度採択利用課題一覧 (産業利用:成果非公開)
番号所属機関利用区分
(カテゴリー)
状況
1大鵬薬品工業株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
2エトリア株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
3株式会社MQue産業利用
(成果非公開)
利用中
4東芝デジタルソリューションズ株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
5JSR株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
6中外製薬株式会社1産業利用
(成果非公開)
利用中
7中外製薬株式会社2産業利用
(成果非公開)
利用中
8住友重機械工業株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
9アリヴェクシス株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中
10太陽誘電株式会社産業利用
(成果非公開)
利用中

利用課題概要(学術)

組織名 : 理化学研究所革新知能統合研究センター
課題名継続的ベイズ推論の改善
課題概要 深層学習では全てのデータが揃った状態で学習を行い、一度学習したモデルは更新できないのが一般的である。本利用課題では、継続的に学習しつづけるモデルの開発を目指す。また、継続的な深層学習に関する試みもいくつか存在するが、技巧的な手法を用いて経験的な性能向上を重視するものが多い。本利用課題では、数学的に厳密なベイズの原理に基づく理論により継続学習を根本的に見直すことを目的とする。ただし、ベイズ的な深層学習には通常の深層学習以上の膨大な計算量を要するため、TSUBAME4.0のような大規模な計算資源が必要である。
組織名 : 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系
課題名フェイクメディア検知の基礎研究と応用実験
課題概要 深層生成モデルによるディープフェイクの問題は社会で認知され、日本政府やG7でも対策が急務とされている。日本の国立情報学研究所ではディープフェイクの検知技術の研究を行なっている。本課題では、急速普及が広がる画像生成サービスや音声のボイスクローンサービスも考慮したフェイクメディア検知技術の基礎研究と応用研究を実施する。
組織名 : 国立情報学研究所コンテンツ科学研究系(JSTさきがけ)
課題名プライバシー保護と偽音声検出を統合する音声データ処理基盤
課題概要 インフォデミックの時代において、AIが生成した偽音声の検出と声紋などの個人情報の保護ができる音声データ処理基盤が不可欠である。だたし、既存の偽音声検出と声紋を保護する匿名化技術は独立して設計されるため、共同最適化ができず、検出と保護の水準も理論的に示せない。本プロジェクトは偽音声検出と音声匿名化を尤度比に基づいた深層学習の枠組みに統一し、検出と匿名化モデルの構築を目指す。
組織名 : 早稲田大学理工学術院基幹理工学部
課題名自然言語の非線形性の計算論モデル
課題概要 深層学習技術により大規模言語モデル(LLM)が提案され、それは情報科学全域に新しい可能性をもたらしている。LLMの重要性が増せば増すほど、その技術的限界にも焦点が当たっている。これらの限界の一端は、機械学習が曖昧にしか捉えられない言語の「非線形」な特質として生じる。本研究では、自然言語の特質としての「非線形性」について、明らかにし、工学に寄与する計算可能なモデルを考察することにより、技術の限界を打開する方向性を見出す。
組織名 : 同志社大学理工学部
課題名大規模学術データ学習手法の開発
課題概要 本研究課題では、学術データ(論文、特許、ウェブページなど)の利活用を目的とし、データ整形やテキスト処理などの前処理、モデル学習、諸タスクでの応用という一連のパイプラインを構築する。特に、日本語テキストを効率的かつ高性能に抽出する手法と、既存の外部データセットとの連携方法を確立し、国内成果情報の検索・推薦に向けて言語モデルを訓練する。学術ドメイン以外のデータにおいても同様のアプローチを実験することで本研究課題による成果の応用可能性を検証する。
組織名 : 北里大学未来工学部
課題名深層学習を用いた大規模化合物潜在空間の構築
課題概要 本研究では、深層学習を活用して大規模な化合物潜在空間を構築し、創薬における効率的な化合物探索手法を開発することを目的とする。従来の分子生成モデルでは、化合物の分子構造や物性情報に基づいた学習が主流であったが、本研究では、ターゲットタンパク質情報と統合することで、特異性の高い化合物の生成を可能にする。具体的には、エンコーダに事前学習済みタンパク質言語モデル(ESM-2)、デコーダに分子生成VAE(FRATTVAE)を組み込んだモデルを構築し、大規模データセットを用いて学習を行う。これにより、化学空間の包括的な学習を実現し、新規化合物の生成精度向上と探索効率の向上を目指す。
組織名 : 京都大学大学院薬学研究科
課題名MDシミュレーションによるGPCR関連シグナル分子の構造変化解析
課題概要 Gタンパク質共役型受容体(GPCR)は形質膜上に発現し、細胞外から細胞内へシグナルを伝達する。GPCRによるシグナル伝達において、下流シグナル分子はGPCRや膜脂質との相互作用を通じて立体構造を変化させ、活性化される。この活性化の過程を経て、GPCR下流で様々な細胞内応答が誘導される。本課題では、分子動力学シミュレーションを用いて、環境に応じたシグナル分子の立体構造変化を解析し、GPCRシグナル伝達の制御機構の解明を目指す。
組織名 : 京都大学大学院医学研究科
課題名医薬プロセス最適化と新薬開発を効率化・加速する製剤処方設計AIの開発
課題概要 本研究課題では、タンパク質やケミカルバイオロジーのマルチモーダルデータおよび創薬に関連する臨床データを活用した新しい創薬モデルの開発を行う。具体的には、これらのマルチモーダルなデータを統合し、AIと機械学習技術を用いた化合物の創薬・製薬上の有効性や安全性の予測を行う。特に、タンパク質の構造情報や化学的性質、バイオロジカルな作用機序データおよび臨床データを組み合わせ、精度の高い創薬予測モデルを構築する。最終的には、このモデルを用いて従来のシングルモダリティでは見つけにくい新規治療薬の発見を目指す。
組織名 : 東京大学大学院 工学系研究科
課題名深層学習に関する研究
課題概要 本課題では深層学習に関する基礎技術開発やあらゆる技術の応用に取り組む。 具体的には次世代深層学習に関する基礎技術の開発、大規模言語モデルの創発性に関する研究、ニューラルネットと大規模言語モデルを使用した自然言語処理に関する研究、大規模言語モデルを用いたマルチモーダル推論タスクの実行、大規模言語モデルを用いた未知の方策獲得のための既存方策の合成やロボットの低レベル方策の学習効率化アルゴリズムの開発、最適化アルゴリズムにおける方法論の開発とその実践的なタスクへの応用に関する研究、事前学習された拡散モデルを用いた画像編集などの下流タスクへの適応などである。
組織名 : 産業技術総合研究所
課題名生成型音声・画像AIのための学習アルゴリズムの開拓と自動機械学習の研究
課題概要 本課題では,実世界で人間と協調する次世代AI技術を確立するため,その効率的な学習方法の開拓とともに実応用で課題となる自動機械学習 (AutoML/AutoPEFT) に取り組む.具体的には,音声・画像AIのためのスケーラブルな学習アルゴリズムの開拓,実世界データにおける性能評価ベンチマークの確立,学習時のハイパーパラメータ・アーキテクチャの自動探索および効率的な微調整の開拓,大規模言語モデル (LLM) を活用した学習後のゼロショット調整など,実世界を理解し人々と協調するAIに必要な要素技術の開拓を進める.
組織名 : 東京大学医科学研究所
課題名ウイルスの形質および進化予測法の開発
課題概要 COVID-19パンデミックを皮切りに、ウイルス感染症研究はビッグデータの時代に突入した。例えば、これまでに1600万配列以上のSARS-CoV-2ゲノムが解読され、データベース上で公開されてきた。また、高スループット実験により、ウイルスの性質(免疫逃避能や細胞への感染性など)が変異によりどのように変化するのか計測することが可能となった。これらのビッグデータを活用すれば、ウイルスの形質や進化を一定の精度で予測することが可能となる。本課題では、上記のビッグデータと大規模言語モデルや拡散モデルに代表される深層学習モデルを駆使し、ウイルスの形質や進化を予測する手法の開発に取り組む。
組織名 : 東京大学医科学研究所
課題名感染症制御に資するバイオインフォマティクス研究
課題概要 COVID-19パンデミックを皮切りに、ウイルス感染症研究はビッグデータの時代に突入した。感染症研究を実施するにあたり要求される計算資源は増大している。現代の感染症研究は、次世代シーケンサーから得られる大量のシーケンスデータ、SARS-CoV-2のゲノム疫学データ、航空機ネットワークの人流データといったビッグデータの活用が不可欠である。本研究ではより効率的な感染症制御法の確立に向けて、これらのビッグデータからウイルスの流行と進化パターンを抽出し、さらには予測するための手法の開発に取り組む。
組織名 : 東北大学大学院 情報科学研究科
課題名マルチモーダル言語モデルの開発
課題概要 大規模言語モデルとCLIPなどの事前学習された画像モデルを組み合わせることで,効率的にマルチモーダル言語モデルを構築することができる.本研究課題では,ダイアグラム画像やそのソースコードを対象としたマルチモーダルモデルの検証を行う.汎用的なモデルを効率的に学習する方法や,推論能力を向上させるための方法論について複数の方法を比較し検証を行う.また,強化学習によって直接的な学習データがない領域についても精度向上が可能かどうかを検証する.
組織名 : 山梨大学大学院総合研究部附属クリスタル科学研究センター
課題名金属ギ酸化合物における小分子の吸着構造の第一原理計算
課題概要 金属ギ酸化合物M(HCOO)3 (M = Al3+, Fe3+, etc.)は、HCOO-とM3+イオンが3次元格子状に配列した結晶構造をもち、その開口部にH2・CO2・H2Oなどの小分子を吸収・貯蔵できる。申請者は、M(HCOO)3をアンモニアの吸着・貯蔵材料へ応用することを目的に、M(HCOO)3の合成時に格子内に侵入する不純物分子の除去や、アンモニア吸着に向けたMサイトへの異種元素ドーピングによる欠陥サイトの導入を検討している。本課題は、H2OやCO2など結晶格子に侵入する小分子の吸着構造や、欠陥サイトの導入がアンモニアの吸着特性に及ぼす影響について、第一原理計算を用いて明らかにする。
組織名 : 星薬科大学薬品物理化学研究室
課題名MDシミュレーションと量子化学計算を用いた医薬品等開発支援
課題概要 本研究では、MDシミュレーションと量子化学計算を組み合わせることにより、医薬品などの開発支援手法を研究する。まず、MDシミュレーションによって医薬品候補の物性を予測し、量子化学計算で分子の電子構造や反応性を評価する。さらに、TSUBAMEの高性能計算能力を活かして複雑な分子システムを解析し、医薬品や材料の設計および効果予測に貢献する技術の確立を目指す。
組織名 : 早稲田大学 基幹理工学部
課題名計算機の文章読解・生成能力向上に関する研究
課題概要 計算機の文章読解・生成能力向上を目的とし、大規模テキストコーパスからの大規模言語モデルの学習、および、それを用いた応用システムの研究開発を行う。まず、Wikipediaやウェブテキストなどの大規模テキストコーパスを用いて大規模言語モデルを構築する。次に、構築した大規模言語モデルをファインチューニングすることによって、言語処理応用システムを構築する。これらのモデル・システムの構築時に人手で作成された言語知識や世界知識の統合を検討する。これらのモデル・システムの訓練のために、TSUBAME 4.0の並列計算環境を利用する。
組織名 : 群馬大学大学院医学系研究科
課題名シナプスタンパク質間相互作用の解析
課題概要 ニューロンはシナプスにおいて相互に接続され、シナプス受容体を介して情報を交換することで様々な生理機能を果たす。シナプスに局在するタンパク質間の相互作用は、このような生理機能の調節に重要であり、相互作用の異常は、自閉症スペクトラム障害や統合失調症、うつ病などの精神疾患を引き起こす可能性があると考えられる。しかしながら、現在解明されている相互作用はごく一部にとどまっており、疾患との関連を十分に解明するまでには至っていない。そこで、実験系による相互作用解析に加えて計算機科学的なアプローチを併用することで、タンパク質間相互作用検出の加速化、および正確なデータ抽出を目指す。
組織名 : 大阪公立大学大学院工学研究科
課題名連続体および原子論的計算による多結晶金属の界面ダイナミクスの大規模解析
課題概要 多結晶材料の高特性化のためには,製造工程における相変態,再結晶・粒成長などを通じた組織形成の高精度制御が鍵となる.本研究では,高効率な組織計算が可能な現象論的手法:フェーズフィールド(PF)法と,物性値等の入力不要で組織発展を扱える原子論的手法:分子動力学やPFクリスタル法とをデータ科学により融合し,複数GPU並列計算を併用することで,原子レベルの物理を反映した大規模・定量的な多結晶組織予測を初めて可能とする.今年度は,多結晶金属の界面(粒界)のダイナミクスをPF,原子論の両面から評価するとともに,複数の界面の交わる多重点のような高次欠陥の特性を解析し、精緻な材料組織予測に向けた知見を得る.
組織名 : 中央大学理工学部
課題名深層学習を活用した水防災シミュレーションの計算効率化及び高速化に関する研究
課題概要 本研究は、深層学習と次元圧縮技術を用いて、リアルタイム浸水域予測の高速化を図ることを目的とする。従来の数値解析では予測に時間を要するため、災害発生時の即時対応が困難であるという課題があった。そこで本研究では、特異値分解(SVD)などの次元圧縮手法によりデータの次元を削減し、DNN(Deep Neural Network)を用いて浸水域を高精度にかつ短時間で予測可能なモデルを構築した。これにより、迅速な水防災対応が可能となり、実災害における利活用が期待される。
組織名 : 大阪公立大学大学院工学研究科
課題名直接数値解析データを用いた非平衡壁面モデルの開発
課題概要 工学応用を見据えた壁モデルラージ・エディ・シミュレーションに組み合わせる汎用的な壁面モデルとして,薄層近似された運動量式を積分することで得られる非平衡代数壁モデルの開発を行う.高レイノルズ数におけるチャネル乱流の直接数値解析を実施し,壁面近傍の瞬間場を取得する.得られた瞬間場にフィルター平均を施し,モデル化されたフィルター平均運動量式を解析する.特に,局所的に生じる乱流の非平衡が運動量式内の渦粘性モデルにあたえる影響を機械学習によってモデル化し,これを非平衡モデルに組み込む.
組織名 : 大阪公立大学大学院工学研究科
課題名直接数値解析による円管内強制対流の非相似伝熱制御の検討
課題概要 円管内部にケルビンヘルムホルツ不安定波に起因する大規模渦を誘起することで,流動抵抗の増加を押さえつつ高い伝熱促進効果をもたらす非相似伝熱制御の検討を行う.本研究では,ケルビンヘルムホルツ不安定性に起因する大規模渦を誘起するために,主流方向に並ぶリブ列を用いる.数値解析手法には密度分布関数とエネルギ分布関数の2つの分布関数を解く格子ボルツマン法を用いる.リブ列の間隔を変えた複数のケースに対して,直接数値解析を実施することで,大規模渦の特性や,運動量・熱輸送の非相似的な挙動について議論を深める.
組織名 : 国立感染症研究所バイオインフォマティクス・オミクス研究部
課題名分子動力学シミュレーションによる新興再興感染症に関する研究
課題概要 易変異性RNAウイルスによる新興・再興感染症は、社会や経済に多大な損失をもたらす。そのため、その対策は世界が共有する公衆衛生上の重要課題になっている。我々は、計算科学により易変異性ウイルスの理解と制御に向けた基礎・応用研究を進めている。ウイルスの性質は、ウイルスタンパク質の構造により決定される。本研究では、TSUBAMEにおいてAmberによる分子動力学シミュレーションを実施し、変異がウイルスタンパク質の動的性質や宿主因子との相互作用に及ぼす効果を解析する。得られた情報を、病原体の性質変化の分子基盤解明、リスク評価、リスク変異予測、創薬標的同定、ワクチン抗原設計等に活用する。
組織名 :
課題名 
課題概要 
組織名 : 福島大学農学群食農学類
課題名糖鎖-蛋白質間の相互作用解析
課題概要 糖鎖の生合成や分解に関与する酵素群やレクチンが糖鎖を認識するメカニズムの理解は、糖鎖を介した生命現象の解明に重要である。しかし、糖鎖-蛋白質間相互作用の解析および評価は、糖鎖の構造多様性も相まってとても複雑かつ多様であり、従来の実験的手法のみでは限界がある。昨年度は、様々な感染症のターゲット分子となるシアロ糖鎖の合成酵素であるST3Gal3とアクセプターおよびドナー、さらにはニワトリ卵白リゾチームと新規基質との相互作用を本TSUBAME共同利用によって明らかにした。今年度は、昨年度に引き続き、分子動力学計算を中心とした手法により、糖鎖-蛋白質間相互作用の更なる機構解明に取り組む。
組織名 : 高度情報科学技術研究機構 神戸センター
課題名TSUBAME4.0におけるQuantum ESPRESSOの性能評価
課題概要 NVIDIA H100を搭載したスーパーコンピュータであるTSUBAME 4.0において、物質・材料開発で広く利用される平面波基底密度汎関数法コードQuantum ESPRESSO (QE) の性能評価を行う。QEの主要コードであるPWscfや第一原理分子動力学法コードであるCPに加え、PWscfをリンクする他コード (例: LAMMPS)等を対象とする。公開ベンチマークデータを利用し、GPU利用時で性能に効果的な並列設定を調査する。また、QE中で頻繁に利用される固有値ソルバーやdevXlib等のライブラリの基礎性能を把握すべく、カーネルコードを作成する。

利用課題概要(産業)

組織名 : Axelidea株式会社
課題名特許情報により学習した特化型AIの研究
課題概要 本課題では、世代交代に伴い、個人の経験や専門知識に依存した従来型のアイデア創造プロセスが困難となりつつある問題を克服するため、特許情報に特化して学習させたAIの研究開発を行う。具体的には、特許明細書に記載された技術課題や解決手段を機械学習モデルに学習させることで、人間の直感や経験に頼らずとも革新的なアイデアを効率的に創出するAIシステムを構築する。本研究により、AIを活用した発明の創造プロセスを検証し、イノベーションを継続的に生み出すための基盤技術を検討する。また、本課題の成果は、知識継承の円滑化およびイノベーションの加速を通じ、我が国産業界における競争力強化にも寄与するものである。
組織名 : Sakana AI株式会社
課題名AIエージェントの基盤技術に関する研究開発
課題概要 次世代のAI研究では、LLMを単なる知識処理エンジンではなく、高度なタスクを遂行可能な「エージェント(AI Agent)」として活用することが重要である。エージェントの構築においては、「思考力」 と 「協調性」 が鍵となる。思考力の向上は、LLMがより深い論理的推論を行い、長期的なタスクを遂行する上で不可欠である。また、複数のエージェントが協調しながらタスクを遂行するマルチエージェントシステムは、実環境での適応性と効率性を向上させる。しかし、これらの技術は発展途上であり、効果的なLLMのエージェント化や、複数エージェントの協調制御を可能にする基盤技術の確立が求められている。本プロジェクトでは、LLMをエージェントとして機能させるための基盤技術をさまざまな角度から検証し、推論能力向上およびマルチエージェント環境での性能向上を目指す。
組織名 : 株式会社デンソーアイティーラボラトリ
課題名自動運転AI の実現にむけた超軽量特徴点マッチング技術の確立
課題概要 自動運転AIの普及には、高精度な環境認識や位置推定が不可欠であり、その中でも特徴点マッチング技術は自己位置推定や物体認識において重要な役割を担っている。しかし、自動運転用のAIプロセッサは車載環境において電力消費や演算性能が厳しく制限されるため、従来の特徴点マッチングアルゴリズムをそのまま適用することは困難である。加えて、季節変化や昼夜の明暗差など、自動運転特有の環境変動による外観の変化に対してロバスト性を持たせることが大きな課題となっている。一方で、高精度を追求するとモデルのサイズや演算量が大きくなりがちで、従来の手法では車載向けプロセッサの能力を超過する傾向にある。本プロジェクトでは、演算コストを低減しつつ精度を維持するため、特徴量の低ビット化やスパース表現、動的な特徴量選択、適応的なマッチング閾値制御、外観変化に頑健な特徴記述子を用いた超軽量特徴点マッチング技術を確立する。また、既存手法との比較評価を通じて技術
組織名 : 株式会社CoeFont
課題名深層学習を用いたリアルタイムAI音声合成プラットフォームの技術開発
課題概要 喜怒哀楽の感情をより豊かに表現できるようなAI音声プラットフォームの開発を行う。日本語で収録した音声をフランス語やイタリア語と言った多言語のAI音声に翻訳するための大規模な機械学習モデルを構築する。既存の合成音声やボイスチェンジャーにありがちなロボット感をできる限り感じさせない感情をより豊かに表現できるようなAI音声プラットフォームの開発を行う。具体的には喜怒哀楽だけでなく、さらにそれぞれ深いレベル差をつけることで文脈に応じた感情を伴った音声を開発できる。API連携や既存音源からのAI音声作成を行うことでテレビのナレーションや対話型のAIサービスの提供を通じて法人へも活用の幅を広げる。
組織名 : JT生命誌研究館
課題名クモ胚に基づく発生-進化の数理解析
課題概要 節足動物では多様な種が進化してきた。本研究課題では、節足動物の進化・多様化の過程を理解するために、クモ胚に基づいて独自に構築した多細胞体数理モデルを用いて、「節足動物らしさ」の基盤となる体軸と反復パターンを生む発生過程と進化過程のシミュレーション解析を行う。多細胞体モデルでは、細胞力学に基づいて細胞が振る舞い、遺伝子ネットワークの作用で細胞場にパターンが生じる。各世代の多数個体の遺伝子ネットワークに変異を与え、表現型としての形態とパターンに基づいて各個体の次世代への生き残りが決まる。シミュレーション解析に加え、ゲノムに基づくインフォマティクス解析も合わせて、発生と進化の関係を探究する。
組織名 : 株式会社Quemix
課題名有機高分子材料の量子化学的研究
課題概要 モノマービニルモノマーの反応性比は、ラジカル共重合体においてモノマー組成を予測する上で重要なパラメータである。我々が導出した固有Q-eスキームは、ビニルモノマーの反応性比を予測できる理論である。これは、Alfrey-Priceが1947年に提案して以来利用され続けてきたQ-eスキームの改良に初めて成功した理論である。固有Q-eスキームは、高い反応性比の予測精度と、ポリマーラジカルとモノマーのQ-e値を個別に計算できることが特徴である。しかし、Q-eスキームは実験値を必要とするため、本課題では、実験によらないQ-e値および反応性比の予測システムを構築することを目的としている。そのため、反応性比の実験値のデータベースを新たに作成するとともに、大量のモノマーやポリマーラジカル、そしてポリマーラジカルへのモノマーの付加反応についてDFT計算を行い、得られた情報を組み合わせて機械学習を行う予定である。Q-e値や反応性比の予測システムが構築できれば、目的の共重合体を得るモノマー設計が可能になり有用である。
組織名 : アヘッド・バイオコンピューティング株式会社
課題名IT創薬向け並列計算化学シミュレーション手法の開発
課題概要 東京科学大学発ベンチャー第T092号のアヘッド・バイオコンピューティング株式会社は、創薬や生命科学のIT技術による支援を事業の核としており、そのための技術開発を行っている。特に、低分子創薬のための分子設計および環状ペプチド創薬のためのペプチド物性予測シミュレーション等の技術に優位性を持つ。本利用課題では、H100GPUを活用した新たな分子設計・シミュレーション技術の研究および実装を行うことを目的とする。具体的には、分子動力学法に基づく自由エネルギー摂動法計算と環状ペプチド膜透過レプリカ交換シミュレーションを扱い、それぞれに関連する新規技術の開発を目的とする。
組織名 : 株式会社アラヤ
課題名EEGを用いた大規模Brain Computer Interfaceの開発
課題概要 本課題は、大規模脳・生体データから、言語・意図・運動などを解読し、コミュニケーションを補助するためのBrain Computer Interface (BCI) の研究開発を行う。BCIは意思疎通に困難のある方々の支援技術として開発が進んでおり、昨年度、我々は神経変性症患者を含む大規模な脳波データを用いることによる言語解読AIの精度向上を達成した。本年度は、BCIの普及に向けた課題に取り組む。具体的には、①簡易に装着可能なEEG記録デバイスでのEEG記録データを含め、より多くのデータを収集し、言語解読AIの精度向上を目指すとともに、②解読対象を言語だけでなく、視線移動の意図、想起した身体運動等まで拡張し、多角的な補助が可能なBCI開発を行う。③さらに、日常利用可能なBCIを実現するために、新規ユーザーや日々のキャリブレーション学習の負荷を軽減する効率の良い事後学習(fine-tuning)手法の探索を行う。