令和4年度採択実績および利用終了課題報告書

採択情報

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令和4年度申請実績

令和4年度申請実績
利用区分カテゴリー応募数採択数
学術利用成果公開2828
産業利用成果公開11
成果非公開1212
合計4141

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令和4年度 利用終了課題一覧

【令和4年度 利用終了課題 成果報告書集】

令和4年度採択利用課題一覧 (学術利用)
番号所属機関申請課題名 (課題概要)利用区分
(カテゴリー)
利用 口数報告書
1電気通信大学MPIアプリケーションにおけるプロファイルおよびトレース予測手法の評価学術利用
(成果公開)
13PDF
2千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室計算化学による薬物とトリメチル化シクロデキストリンの相互作用評価学術利用
(成果公開)
3PDF
3東北大学大学院薬学研究科アレスチン分子の活性化機構の分子動力学シミュレーション学術利用
(成果公開)
10PDF
4立命館大学理工学部固体電解質セルによるCO2電気分解反応の第一原理計算学術利用
(成果公開)
2提出免除
5名古屋大学大学院医学系研究科新規BRCAness 誘導阻害剤開発に向けた理論研究学術利用
(成果公開)
4PDF
6東京農工大学メタサーフェスレンズのマルチスケール解析学術利用
(成果公開)
3提出免除
7新潟大学工学部工学科揺動電磁気シミュレーションを用いた光放射現象に関する研究学術利用
(成果公開)
1PDF
8日本大学医学部生体機能医学系薬理学分野臨床情報統合データベースの機械学習解析学術利用
(成果公開)
14PDF
9大阪公立大学大学院工学研究科航空宇宙海洋系専攻海洋底探査を加速するAIとシミュレーション技術の開発学術利用
(成果公開)
10PDF
10理化学研究所革新知能統合研究センター継続的ベイズ推論の改善学術利用
(成果公開)
25PDF
11東京農工大学大学院工学研究院データ同化援用フェーズフィールド計算による高精度多結晶組織予測学術利用
(成果公開)
5提出免除
12長岡工業高等専門学校ヒト血清アルブミン-環状ペプチド複合体の相互作用解析学術利用
(成果公開)
3PDF
13埼玉県環境科学国際センター廃棄物最終処分場における間隙内流体挙動の数値解析学術利用
(成果公開)
1PDF
14国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター分子動力学シミュレーションによる新興再興感染症に関する研究学術利用
(成果公開)
31提出免除
15法政大学情報科学部LRnLAアルゴリズムを用いた物理シミュレーション学術利用
(成果公開)
1PDF
16日本大学医学部生体機能医学系薬理学分野発達期多元自発活動の数理モデルとその学習理論の構築学術利用
(成果公開)
3PDF
17名古屋大学大学院医学系研究科/東京医科歯科大学深層学習を用いた分子動力学シミュレーションの高速化学術利用
(成果公開)
6PDF
18大阪公立大学大学院工学研究科電気コイル隙間内に流れ込む冷却液挙動に関する大規模数値解析学術利用
(成果公開)
17PDF
19東北大学大学院工学研究科深層学習を用いた分子動力学法ベースの水和熱力学量計算法の高速化学術利用
(成果公開)
4PDF
20大阪公立大学工学研究科粘性の温度依存性を考慮した乱流熱流動の直接数値解析学術利用
(成果公開)
15PDF
21国立研究開発法人情報通信研究機構GPUクラスタを用いたミリ波帯大規模広帯域電波伝搬シミュレーション学術利用
(成果公開)
14PDF
22茨城大学大学院理工学研究科ベイナイト変態中の準安定オーステナイトにおける固溶元素と炭素原子の相関の解明学術利用
(成果公開)
1PDF
23中央大学理工学部応用化学科量子化学計算に基づく CO2吸収性アミン非水溶液の理論設計学術利用
(成果公開)
9未提出
24中央大学理工学部応用化学科大規模量子化学計算による機能性液体の溶液構造と反応性探索学術利用
(成果公開)
18未提出
25京都大学化学研究所機能性ペプチド提示エクソソームの創製学術利用
(成果公開)
1PDF
26産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センター人工画像を用いた大規模事前学習学術利用
(成果公開)
7PDF
27産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センター人工画像データ及び事前学習モデルのリポジトリ化によるAIハブ構築学術利用
(成果公開)
7PDF
28九州大学応用力学研究所集風レンズ付き風車とそのマルチロータシステムの流体シミュレーション学術利用
(成果公開)
12PDF


 

令和4年度採択利用課題一覧 (産業利用)
番号所属機関申請課題名 (課題概要)利用区分
(カテゴリー)
報告書
1株式会社Lily MedTech3D超音波CTにおける腫瘍の検出と判別手法の開発産業利用
(成果公開)
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令和4年度採択利用課題一覧 (産業利用:成果非公開)
番号所属機関利用区分
(カテゴリー)
状況
1株式会社豊田自動織機産業利用
(成果非公開)
終了
2モジュラス株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
3日本ガイシ株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
4株式会社リコー産業利用
(成果非公開)
終了
5株式会社クレハ産業利用
(成果非公開)
終了
6住鉱資源開発株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
7中外製薬株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
8東洋合成工業株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
9協和キリン株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
10大鵬薬品工業株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
11太陽ファインケミカル株式会社産業利用
(成果非公開)
終了
12株式会社アグロデザイン・スタジオ産業利用
(成果非公開)
終了

利用課題概要一覧(学術)

組織名 : 電気通信大学
申請課題名MPIアプリケーションにおけるプロファイルおよびトレース予測手法の評価
利用課題概要本研究課題では,MPIアプリケーションを大規模実行した際のプロファイルおよび通信トレース収集に必要な時間コストと計算資源を削減するために当研究室で開発した,プロファイル予測手法と通信トレース予測手法の評価を行う.
組織名 : 千葉大学大学院薬学研究院製剤工学研究室
申請課題名計算化学による薬物とトリメチル化シクロデキストリンの相互作用評価
利用課題概要難水溶性薬物の溶解性改善手法として、過飽和溶液の調製が広く研究されている。一方、過飽和溶液は熱力学的に不安定であるため、その安定化を目的として結晶化抑制剤が用いられている。シクロデキストリン類は薬物をその空洞内に包接することで、薬物を可溶化する。近年我々はトリメチル化シクロデキストリンが可溶化作用に加えて、強い結晶化抑制作用を有することを見出した。本課題では、トリメチル化シクロデキストリンの結晶化抑制メカニズムを明らかにすることを目的として、計算化学(主に分子動力学シミュレーション)を用いて、過飽和溶液中の薬物とトリメチル化シクロデキストリンの相互作用を評価する。
組織名 : 東北大学大学院薬学研究科
申請課題名アレスチン分子の活性化機構の分子動力学シミュレーション
利用課題概要アレスチン分子の活性化は細胞膜上の受容体の内在化を引き起こし、脱感作を仲介する。この活性化にはリン酸化された受容体との相互作用が重要であると考えられてきたが、受容体との相互作用様式や受容体以外の分子との相互作用の有無によっても活性化の程度が異なることがわかってきた。本課題では、種々の相互作用形式における活性化因子の寄与を分子動力学シミュレーションによって検証し、アレスチンの活性化機構を調べる。
組織名 : 立命館大学理工学部
申請課題名固体電解質セルによるCO2電気分解反応の第一原理計算
利用課題概要カーボンニュートラル社会に向けて固体酸化物形電気分解セル(SOEC)を用いたCO2電気分解が注目されている。しかし、CO2はSOECのカソードで用いられるNi系電極を酸化するため、電極酸化による性能劣化が課題となっている。本研究では、第一原理計算を用いて、CO2電気分解反応とカソードのCO2酸化挙動を原子レベルで明らかにし、CO2酸化耐性のあるカソード構造を提示する。
組織名 : 名古屋大学大学院医学系研究科
申請課題名新規BRCAness 誘導阻害剤開発に向けた理論研究
利用課題概要Domainfocused CRISPR スクリーニングから得られた合成致死性を示す機能的ドメイン近傍のタンパク質構造を予測し、当該領域に対して⼩関が有する独⾃のin silico 創薬デザイン戦略を適⽤することで、ドメイン活性特異的な新規阻害剤を設計する。この研究の一環として、TSUBAME上で、Alphafold2を用いて様々な候補タンパク質の構造予測と、分子動力学シミュレーションによるタンパク質の生体内分子挙動をサンプリングすることを計画している。
組織名 : 東京農工大学
申請課題名メタサーフェスレンズのマルチスケール解析
利用課題概要本課題では、光メタサーフェスレンズの設計に供するための、金属・誘電体ナノ構造の光学的な応答解析を行う。現在、誘電体ナノ構造からなる可視波長域で動作するメタサーフェスレンズの開発を進めている。構造の最適化のためには光学特性の計算が必須であるが、必要なメモリが膨大となるため、従来所有していたワークステーションでは十分な計算を行えなかった。そこで、TSUBAME 3.0上でマルチフィジックス計算ソフトを利用することで、本課題の本格的な展開に取り組むことを目的として、申請を行った。2022年度には,ナノスケールの電磁場解析とマクロな光学応答を対応付けるマルチスケール解析を行う。
組織名 : 新潟大学工学部工学科
申請課題名揺動電磁気シミュレーションを用いた光放射現象に関する研究
利用課題概要半導体発光素子(light emitting diode : LED)を用いた Thermophotonics(TPX)発電システムの数値解析を行う.TPX発電システムとは,LEDでの発光エネルギーをPVセルで受光し,発電しながらその一部のエネルギーをLED駆動に回すことで継続的に発電が可能となるデバイスである.しかし,現状ではTPX発電システムに最適な半導体・デバイス構造や熱力学的性質について十分に理解が進んでおらず,実現のためには揺動電磁気シミュレーションにより,半導体デバイスおよび熱力学的な数値設計および現象の解明を行う必要がある.
組織名 : 日本大学医学部生体機能医学系薬理学分野
申請課題名臨床情報統合データベースの機械学習解析
利用課題概要課題責任者はこれまで構築してきた臨床情報の統合データベースから生活習慣病についての医学的知見を抽出するために機械学習アルゴリズムを開発している。データベースは非常に大規模であり、効率的な機械学習を行うためには変数選択や事後分布の推定においてアルゴリズム面での大幅な効率化が必要である。課題責任者のグループではこの点でブレイクスルーを与える新手法の開発に成功しており、これを複数GPUを備えた大型計算機上で動作するよう新たに実装し、既存のアルゴリズムと比較検討する。そして、データベースに基づく生活習慣病の薬剤効果判定や疾患進行予測を既存手法を超える精度で行えることを示す。
組織名 : 大阪公立大学大学院工学研究科航空宇宙海洋系専攻
申請課題名海洋底探査を加速するAIとシミュレーション技術の開発
利用課題概要海溝型地震や熱水活動観測による資源評価など,調査船を用いた海洋底探査の重要性が増している。外乱が複雑に変化する状況下では,革新的な船舶制御が求められるため,深層強化学習にもとづく自律操船AIの開発を行う。スパコンを利用した学習環境を構築し,パラメータの最適化と分散型の強化学習を目指す。また,探査・開発の対象となる海底環境は,砂,泥,礫などの離散体で構成されており,採掘・揚鉱装置の開発を加速させるためには,連続体である海水との連成シミュレーションが求められる。本研究では,個別要素法と粒子法を組み合わせた離散対・連続体の連成シミュレーションを開発し,スパコン上で実行可能なツールとして確立する。
組織名 : 理化学研究所革新知能統合研究センター
申請課題名継続的ベイズ推論の改善
利用課題概要深層学習では全てのデータが揃った状態で学習を行い、一度学習したモデルは更新できないのが一般的である。本利用課題では、継続的に学習しつづけるモデルの開発を目指す。また、継続的な深層学習学習に関する試みもいくつか存在するが、技巧的な手法を用いて経験的な性能向上を重視するものが多い。本利用課題では、数学的に厳密なベイズの原理に基づく理論により継続学習を根本的に見直すことを目的とする。ただし、ベイズ的な深層学習には通常の深層学習以上の膨大な計算量を要するため、TSUBAME3.0のような大規模な計算資源が必要である。
組織名 : 東京農工大学大学院工学研究院
申請課題名データ同化援用フェーズフィールド計算による高精度多結晶組織予測
利用課題概要多結晶材料の性能を引き出すためには,製造工程における再結晶・粒成長等の組織発展現象の高精度予測が鍵となる.本研究では,高効率な組織計算が可能な現象論的手法:フェーズフィールド法と,物性値等の入力不要で組織発展を扱える原子論的手法:分子動力学とをデータ科学により融合し,複数GPU並列計算を併用することで,原子レベルの物理を反映した大規模・定量的な多結晶組織予測を初めて可能とする.令和4年度は,フェーズフィールド計算と分子動力学計算とを同じ時空間スケールで実行し,データ同化により結晶粒界・多重点の異方性物性を系統的に取得することで,フェーズフィールド法による組織予測の定量化を図る.
組織名 : 長岡工業高等専門学校
申請課題名ヒト血清アルブミン-環状ペプチド複合体の相互作用解析
利用課題概要低分子医薬品、抗体医薬品に続く第3の医薬品として環状ペプチド医薬品が注目を集めている。しかし、環状ペプチドは腎臓でろ過され、体外へと急速に排出されてしまうという課題がある。この課題を克服するためには血漿中に存在する輸送体であるヒト血清アルブミンとの結合が重要になってくる。結晶構造解析によって得られたヒト血清アルブミンと環状ペプチドの複合体構造に対して分子動力学シミュレーションおよび相互作用解析を実施し、ヒト血清アルブミンとの結合に重要となる相互作用を明らかにする。
組織名 : 埼玉県環境科学国際センター
申請課題名廃棄物最終処分場における間隙内流体挙動の数値解析
利用課題概要廃棄物の研究において、埋立地からの浸出水やガスの量を予測し、制御するということは埋立地の設計及び管理における最重要課題である。これら流体の流動挙動は、埋立層間隙の幾何構造と密接な関係があり、間隙内での渦の発生や界面張力等の効果として流動挙動に大きく影響しているものと考えられる。そこで、本利用課題では、間隙の幾何構造に焦点を当て、廃棄物試料から取得したマイクロフォーカスX線CT画像に基づいた間隙内流れの数値シミュレーションを行い、間隙構造の特徴と流れの関連性を明らかにすることにより、埋立地における浸出水・ガスのより高品質な予測制御の実現を目的としている。
組織名 : 国立感染症研究所病原体ゲノム解析研究センター
申請課題名分子動力学シミュレーションによる新興再興感染症に関する研究
利用課題概要易変異性RNAウイルスによる新興・再興感染症は、社会や経済に多大な損失をもたらす。そのため、その対策は世界が共有する公衆衛生上の重要課題になっている。我々は、計算科学により易変異性ウイルスの理解と制御に向けた基礎・応用研究を進めている。ウイルスの性質は、ウイルスタンパク質の構造により決定される。本研究では、TSUBAMEにおいてAmberによる分子動力学シミュレーションを実施し、変異がウイルスタンパク質の動的性質や宿主因子との相互作用に及ぼす効果を解析する。得られた情報を、病原体の性質変化の分子基盤解明、リスク評価、リスク変異予測、創薬標的同定、ワクチン抗原設計等に活用する。
組織名 : 法政大学情報科学部
申請課題名LRnLAアルゴリズムを用いた物理シミュレーション
利用課題概要超並列GPUコンピュータ用の時空間局所化を用いた新しい並列化のアルゴリズムを開発・改良を継続する。これまで我々のアルゴリズムはステンシルスキームなどの局所依存関係をもつ数値計算手法を用いて、メモリバウンド型の物理シミュレーションで既に活用されている。また、効率向上ため、計算が処理順序やデータアクセス局所性、メッセージ通過速度などの多くの要因を考慮し、アルゴリズムの改良、検討を行っている。これにより活用可能な分野を拡大するため、LRnLA法のアルゴリズムの改良、検討をさらに進める。
組織名 : 日本大学医学部生体機能医学系薬理学分野
申請課題名発達期多元自発活動の数理モデルとその学習理論の構築
利用課題概要申請者の科研費課題「発達期多元自発活動の数理モデルとその学習理論の構築」を遂行するために本利用課題を策定した。本課題は、発達初期の脳神経回路の数理モデルを構築し、発達初期にみられる多元自発活動を数値シミュレーションにより再現しようとする。そして機械学習を行う人工神経回路との比較や生理学者・数学者との共同研究を経て、それらの多元自発活動の意義・機能を解明しようとする。これにより、発達初期の脳神経回路の状態が後の動物の学習に与える影響の一端が解明され、さらには機械学習を行う人工神経回路のデザインについての知見も得られると期待される。
組織名 : 名古屋大学大学院医学系研究科/東京医科歯科大学
申請課題名深層学習を用いた分子動力学シミュレーションの高速化
利用課題概要タンパク質が持つ機能を解析するため、分子動力学シミュレーションによりタンパク質立体構造のダイナミクスを解析する研究が広く行われている。しかしながら、分子動力学シミュレーションには大きな計算コストを必要とするという問題点があり、長時間・大規模なシミュレーションを行うにはスーパーコンピュータを用いても膨大な時間を要する。そこで本課題では、深層学習をベースとしたデータ駆動型のアプローチを用いることで分子動力学シミュレーションを高速に行う手法を開発し、効率的な大規模・網羅的シミュレーションの実現を目指す。
組織名 : 大阪公立大学大学院工学研究科
申請課題名電気コイル隙間内に流れ込む冷却液挙動に関する大規模数値解析
利用課題概要モータのステータコイルの除熱には,非電気伝導性の冷却液を直接流下する方法がとられる.その流体挙動については不明な点が多かったため,これまで簡易モデルを対象とし,その流動特性を格子ボルツマンによる二相流解析により解明してきた.今年度は継続課題として,簡易化ステータコイル構造の熱問題解析手法を構築するとともに,ロータ・ステータ間の流れ場をも対象とし,構造が及ぼす影響を明らかにすることを目的とする.
組織名 : 東北大学大学院工学研究科
申請課題名深層学習を用いた分子動力学法ベースの水和熱力学量計算法の高速化
利用課題概要分子動力学法を用いてタンパク質周りの水のエントロピーとエネルギーの分布を求めるグリッド不均一溶液理論を、深層学習を導入することで計算時間を大幅に短縮する(2日程度→1分程度)ことを目指す。そのために、本研究では、まず100個程度のタンパク質の分子動力学計算とグリッド不均一溶液理論を行い、その後、深層学習のモデル構築を行う。深層学習モデルとしては、我々が提案しているもの(K. Kawama, Y. Fukushima, M. Ikeguchi, M. Ohta, and T. Yoshidome, bioRxiv: 2022.04.18.488616)を使用する。
組織名 : 大阪公立大学工学研究科
申請課題名粘性の温度依存性を考慮した乱流熱流動の直接数値解析
利用課題概要一般的な数値シミュレーションでは,動粘度をはじめとした物性値は一定値として取り扱われることが多い.しかし,燃焼など急激な温度変化を伴う流動場では,物性値が流体温度に応じて変化し,流動場に影響を及ぼす.そのような流動場を現実的なコストでシミュレーションするためには,物性値の温度依存性を考慮した乱流モデルが必要であるが,物性値の温度依存性が乱流場に与える影響は十分に理解されておらず,対応する乱流モデル・壁モデルも少ない.本研究は,粘性の温度依存性を考慮した乱流熱流動の直接数値解析を行い,物性値の温度依存性を考慮した乱流モデルの構築に必要な基礎的なデータベースを作成することを目的とする.
組織名 : 国立研究開発法人情報通信研究機構
申請課題名GPUクラスタを用いたミリ波帯大規模広帯域電波伝搬シミュレーション
利用課題概要ミリ波帯電波は他の周波数帯と比較して,電波の直進性が大きく,見通し伝搬の形態が多い。しかし,ひとたび電波伝搬のフレネルゾーン内に該当帯域電波の吸収体・散乱・反射体などが存在すると,受信電力の予測手法の複雑さが増大し,不確かさが大きくなる。また,ミリ波では,物質表面の凹凸の寸法が波長に比べて同程度となれば,その散乱特性がかなり影響を受ける.そこで,本研究では,屋内伝搬環境において受信電力を高精度に予測するために,大規模電磁界シミュレーションを新たに開発する。加えて,電波散乱壁やリフレクトアレーなどの反射体・散乱体を考慮できるようにする。
組織名 : 茨城大学大学院理工学研究科
申請課題名ベイナイト変態中の準安定オーステナイトにおける固溶元素と炭素原子の相関の解明
利用課題概要超高強度、高延性鋼板を開発することは建物や自動車をはじめ鉄鋼を用いた工業製品の性能を向上させるために重要である。そのために鉄鋼中炭素位置と固溶元素の相関を解明する必要がある。Fe-1.5Si-1.5Mn-0.15C鋼を用いたこれまでの研究で、全量γ相となる温度からの急冷によるオーステンパー処理中でのベイナイト変態進行を観察し、処理温度を573-773Kとしたすべての条件でγ中炭素濃度の二極化が観測された。この炭素濃度二極化のメカニズム解明として、固溶元素と炭素原子との相関を第一原理計算によって明らかにする。
組織名 : 中央大学理工学部応用化学科
申請課題名量子化学計算に基づく CO2吸収性アミン非水溶液の理論設計
利用課題概要本課題ではNEDO-Green Innovation プロジェクト(2022-2030)「LNG未利用冷熱を活用したCO2分離回収技術開発・実証」に関連し、量子化学計算と情報科学技術の連携により、高効率な CO2 吸収液の迅速探索を実施する。カーボンニュートラル社会の確立を目指す CO2 吸収液の設計分野では、従来、揮発性のアミン水溶液を用いた研究開発が実施されてきた。だが、エネルギー効率・環境影響の両観点から、不揮発性 CO2 吸収液の開発は、国際レベルの課題である。実験的にわかっている化学反応予測経路について、そのエナジェティクスを検証、実験的に追跡が困難な遷移状態の電子状態情報を収集し機械学習を実施することで、未来社会を支える不揮発性アミン非水溶液の早期具現化に貢献する。
組織名 : 中央大学理工学部応用化学科
申請課題名大規模量子化学計算による機能性液体の溶液構造と反応性探索
利用課題概要申請者らは従来、フラグメント分子軌道法に基づく大規模第一原理分子動力学計算を開発し、その生態関連系への応用を行ってきた。本課題では、当該手法の材料系に水平展開すると同時に機械学習の手法と組み合わせることで、各種機能性溶液の溶液構造と物性の相関を解明することを目指す。
組織名 : 京都大学化学研究所
申請課題名機能性ペプチド提示エクソソームの創製
利用課題概要エクソソームは、細胞から放出される50nmから150nmの細胞外小胞の一種である。エクソソームは、マイクロRNAやタンパク質などを内包しており、細胞間コミュニケーションツールとしての役割を果たしており、がん診断や薬物送達キャリアとしても注目されている。一方で、薬物キャリアとして活用するには、エクソソームを標的細胞に特異的に送達する必要がある。そこで、エクソソームの表面に機能性ペプチドを導入することで、新たな機能性エクソソームの創製を目指す。
組織名 : 産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センター
申請課題名人工画像を用いた大規模事前学習
利用課題概要NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/実世界に埋め込まれる人間中心の人工知能技術の研究開発」,小項目③-(3)-C 「二次最適化を利用した分散深層学習による汎用学習モデルの構築」では,分散深層学習技術を用いて人工画像による画期的な事前学習方法を大規模で実施する.そのためには,TSUBAMEのような大規模GPUスパコンを用いる必要がある.
組織名 : 産業技術総合研究所デジタルアーキテクチャ研究センター
申請課題名人工画像データ及び事前学習モデルのリポジトリ化によるAIハブ構築
利用課題概要NEDO「人と共に進化する次世代人工知能に関する技術開発事業/実世界に埋め込まれる人間中心の人工知能技術の研究開発」,小項目③-(3)-A 「AI資源のリポジトリ化によるAIハブ構築技術」では,深層学習のための大規模データや事前学習モデルをレポジトリ化し,AIハブの構築を目指す.そのためには,ABCI上にあるレポジトリをTSUBAMEから利用する試験を行う必要がある.
組織名 : 九州大学応用力学研究所
申請課題名集風レンズ付き風車とそのマルチロータシステムの流体シミュレーション
利用課題概要高い発電性能を持つ風車として集風レンズ付き風車が注目されており,九州大学応用力学研究所では定格出力200kWの中型レンズ風車の技術開発を進めている.本利用課題では,数値流体シミュレーションにより集風レンズ付き風車の発電性能と風抵抗を評価し,中型機用の集風レンズ形状の空力設計を行うことを目的とする.また,集風レンズ付き風車を同一構造上に2基配置するマルチロータシステムに対し流体シミュレーションを行い, システム全体の発電性能と抵抗を評価する.流体シミュレーションには大規模計算とGPU計算に適した格子ボルツマン法を利用する.

利用課題概要一覧(産業)

組織名 : 株式会社Lily MedTech
申請課題名3D 超音波CTにおける腫瘍の検出と判別手法の開発
利用課題概要超音波CT (USCT) は乳がんの診断のための新しい画像診断装置である。再現性の高い超音波による三次元ボリュームが得られることから、より効果的な乳がん診断が実現できると期待される。しかしながら、既存の画像診断装置と比べて読影のための労力が大きく、また新しい装置であり診断方法が確立されていないため、読影ができる医師の数が少ないという問題がある。本研究はこの問題を解決するため自動診断支援 (Computer-Aided Diagnosis, CAD) ソフトウェアによって医師を支援することで読影負担を軽減する手法の検討を行う。 本研究の目的はUSCTのためのCADソフトウェアを実現するため、画像から腫瘍症例を提示する機械学習モデルを開発し、その性能を評価することである。データ並列化によって複数GPUを利用した深層学習を行い、USCTの画像中の病変候補領域を提示する検出タスクと、提示された領域が悪性腫瘍であるかを判定する判別タスクを解決するためのモデルを学習させる。MRI・針生検などの診断で悪性と判定された症例を真値として、判別モデルの感度・特異度・AUROCを評価する。