1. はじめに¶
Info
本ページのコマンドライン例では、以下の表記を使用します。
[login]$ : ログインノード
[rNnN]$ : 計算ノード
[login/rNnN]$ : ログインノードまたは計算ノード
[yourPC]$ : ログインノードへの接続元環境
本書は、MathematicaをTSUBAME4.0で利用する方法について説明しています。 また、TSUBAME4.0を利用するにあたっては、TSUBAME4.0利用の手引きもご覧下さい。サーバの利用環境や注意事項などが詳細に記述されていますので、よく読んでください。
Mathematicaの開発・販売元のウルフラム リサーチではMathematicaに関するWebページを公開しています。 次のアドレスを参照してください。
http://www.wolfram.com/mathematica/
Info
Mathematicaは有償アプリケーションのため、学内利用者のみ使用可能です。
Mathematicaの利用には別途アプリケーション利用料が必要になります。
詳細は利用料の概略のアプリケーション (TSUBAME4.0で一部有償化)をご覧下さい。
商用アプリケーションの学内利用に際し、ライセンスの利用制限を設けております。ライセンスを占有しないようご協力ください。
ライセンスの占有・長時間利用を確認した場合、予告なくライセンス利用を停止することがあります。
詳細についてはライセンスの制限内のライセンス数の制限についてをご参照ください。
1.1. 利用できるバージョン¶
TSUBAME4.0で利用可能な最新バージョンについてはTSUBAME計算サービスWebサイトの サポートされているアプリケーション ページをご確認下さい。 研究に支障がない限り、バグ修正の入っている最新版をご利用下さい。
1.1.1. バージョンの切り替え¶
module コマンドでmodule ファイルを読み込むことでバージョンの切り替えが可能です。
コマンド例
# デフォルトを利用する場合
[rNnN]$ module purge
[rNnN]$ module load mathematica
# バージョンを指定して利用する場合
[rNnN]$ module purge
[rNnN]$ module load mathematica/14.1
デフォルトで有効になるバージョンおよび利用可能なバージョン一覧を確認する場合、以下のコマンドを実行します。
[rNnN]$ module avail mathematica
出力されたバージョン一覧のうち、下線が引かれたバージョンがデフォルトで有効になります。
既に別バージョンを読み込んでいた場合は下記コマンドを実行してからmodule loadを実行して下さい
[rNnN]$ module purge
moduleオプションの詳細についてはman moduleもしくはmoduleのman page をご確認ください。
1.2. 概要¶
Mathematicaは、数値計算と数式処理のエンジン、グラフィックスのシステム、プログラミング言語、ドキュメントシステム、他のアプリケーションとの高度な接続性をシームレスに統合しています。
表面的なレベルでは、Mathematicaは使いやすい計算機です。数学、化学、工学、金融関数の世界で最も包括的なセットが、ほとんどの場合マウスをクリックする、あるいはコマンド1つですぐに使えます。しかし、Mathematicaの関数はあらゆるサイズまたは精度の数を扱うことができ、記号計算が可能で、簡単にグラフィックスを表示し、最適な答を返すために自動的にアルゴリズムを切り換え、結果の精度を検証・調整します。たとえ計算している問題の構造をよく知らないユーザでも、常に返された答を信頼することができるのは、このような精巧さのためです。
計算を続けている間、ノートブックドキュメントはその完全な記録(インタラクティブでありながらタイプセットも施した形式での入力、出力、グラフィックス)を取り続けています。テキストや見出し、教科書からの公式、インターフェースの要素でさえも直接加えることができ、オリジナルの素材を使ってスライドショーやWeb・XML・印刷等による発表用資料を即座に作成することができます。事実、ノートブックドキュメントの技術を使えば、受け手がコンテンツとインタラクトできるような完全にカスタマイズされたインターフェースが簡単に提供できます。 直接的な計算からプログラムされた計算への移行は進化的に進めることができます。Mathematicaではたった1行で意味あるプログラムを書くことができます。方法論、シンタックス、入出力に使うドキュメントは直接計算するときのままで構いません。
Mathematicaは強力なソフトウェア開発環境でもあります。Mathematicaのパッケージは、デバッグしカプセル化してカスタムユーザインターフェースでラップすることができ、しかもこの過程のすべてをMathematicaのシステムの中から行うことができます。また、Java、C、あるいは私有のシステムへのリンクからMathematicaのパワーを使うことも可能です。 Mathematicaに他を寄せ付けない幅広さを与えるもとになっている技術は記号プログラミングです。記号プログラミングによって、データ、関数、グラフィックス、プログラム、完全なドキュメント等のあらゆるタイプのオブジェクトとあらゆる操作を、記号式という一律の方法で表すことができるようになりました。このような一本化は、簡単に学習できるということから各関数の適用範囲が広がるということまで、多くの実際的なメリットを生みました。Mathematicaの生のアルゴリズムパワーがこのような統一原則でさらに強力に拡張されているのです。
1.2.1. 用途¶
- 数十万、数百万個の項を含むことがよくある複雑な記号計算の処理
- データのロード、解析、ビジュアル化
- 方程式、微分方程式、最小化の問題の数値的あるいは記号的な解の探究
- 単純な管理システムから銀河系における衝突、金融デリバティブ、複雑な生物系、化学反応、環境影響の研究、粒子加速器における磁場にいたるまでの数値的モデル化とシミュレーション
- 技術系の企業や金融機関における高速アプリケーション開発(RAD)の促進
- 電子・印刷媒体用のプロ級の品質を備えたインタラクティブな技術報告書や文書の作成
- 幼稚園児から大学院生向けまでの数学・科学的コンセプトの解説
- アメリカ合衆国の特許のような技術情報用のタイプセット
- 技術的な内容のプレゼンテーションやセミナーの実施
1.3. マニュアル¶
Wolfram Mathematica ドキュメントセンター (wolfram.com)